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まるごと野菜をリッチなスイーツに ZENBスティックリッチテイスト

R&Dチームの吉澤と申します。
2020年に中途入社し、その時すでにZENBスティックオリジナル(=サクサクタイプ)が商品として世の中に出ていました。ミツカンに入ろうと思ったきっかけは、まさにこのスティック。芯や種など普段食べない部分もひっくるめて「まるごと」食べることができる。今までにないコンセプトで、とても面白いと感じました。入社してそのスティックの担当になり、リニューアルから「リッチテイスト」を開発した時のことをお話できたらと思います。


ZENBスティック サクサク


入社する前にSNSで「ZENB」ブランドを知って興味を持ちました。すぐにお試し購入して喫食した際に感じたのは、「イメージと違う」ということでした。パフが入っているけれど、少ししっとりしていること、野菜の味がわかりにくいこと、甘みとして入れている果汁の酸味が際立ってしまっていること…どれだけおいしいものなのだろうと、商品に対するハードルが上がっていたこともあり、イメージと違ったなというのが正直な感想でした。

入社して、運良く(?)ZENBスティックのリニューアルを担当することになりました。これらを改善してびっくりするようなおいしいものを作りたい!と一念発起したものの、添加物に頼らない味づくり、白砂糖不使用、食物繊維たっぷりなど様々なことにこだわっているので、なかなか思ったような味づくりができず、とても大変な毎日を送ることになりました。

有識者の方に「単調だから、具材を入れて食感の変化を出したらどうか」とアドバイスをいただき、具材候補を取り寄せて試作を行うものの、少量では原料を仕入れられないなどハードルが高く、希望の原料を使えないということもありました。前職では、大量生産する商品ばかりで仕入れ量などで苦労したことはなかったのですが、今回は美味しいと思う原料でも使用できず、味づくりにこれほど苦労するとは思っていませんでした。

そのような環境下でも立ち上げから携わってきた方たちは、そのハードルを越えながら商品を発売している。オリジナルで使用していたパフは、独自配合で黄えんどう豆から作っている。原料開発のメンバーは、具材の開発を行っている。各々の視点で創意工夫して、こだわり抜いて開発をしている姿は、中途で入ってきた私からするととても刺激的でした。

おいしくするためにはどうしたらいいのだろうか

日々考えて、悩みました。
ZENBスティックの強みは何か。お客様が魅力に思ってくれていることは何だろうか。冒頭私自身がZENBに興味を持った時のことを思い出し、普段は食べていない芯や種、わたまで使った「まるごと野菜」をより強調していくことだという考えにたどり着きました。

この「まるごと野菜」は、ZENBが一から開発した独自の原料です。まるごと野菜粉末はそのまま食べると、味はシンプルにおいしい。コーンやかぼちゃは芯や種が入っているからこそ、独特の深みが出ておいしくなっています。このおいしさを素直に届けたい。できるだけ果汁やカカオバターなど野菜の味を消してしまうような原料は少なくしていこうと考え、試作を繰り返しました。
素朴な味わいで、よりまるごと野菜粉末のおいしさがわかりやすいものにいきつきました。この後は、他の方に引継ぎ、最終的にリニューアルとなりますが、一つのリニューアルをとっても、様々な部署と人が関わっていると実感し、ZENBブランドの商品を開発する難しさを知りました。(ZENBスティックオリジナルは残念ながらその後終売となってしまいました。)

ZENBスティックリッチテイストの爆誕

ZENBスティックは発売以降、すでに2回リニューアルしていたのですが、
21年春さらに進化させるために、インタビューをしながらお客様と共に作り上げる、という取り組みを実施しました。

毎回どういう意見が出てくるのだろうと、どきどきして臨んでいました。
お客様の声を聞くと、とにかくZENB商品への愛に満ち溢れており、忌憚ないご感想やご意見をくださいました。スティックオリジナルは、開発者からすると食べにくいかなと思っていた部分も、「ザクザク食感で食べ応えがあり、朝食にピッタリ」とプラスに感じていらっしゃいました。実際に声を伺うことで新たな発見がたくさんありました。

また当時、まるごと野菜粉末を使って新商品を作っていた同じチームの担当の方がブラウニーのような食感が出来ることを発見していました。そこから着想を得て、「しっとりタイプ」としてお客様にも食べて頂くことになりました。それが「リッチテイスト」の原型です。
しっとり食感とほんのりした甘みの評価が非常に高く、スティックオリジナルとは違う「スイーツ」として食べていただける可能性が見えてきたため、急遽、新商品として発売を検討することになりました。
最初はビーツしか作っていなかったのですが、4種類発売しようということになり、急いで味づくりを進めなくてはならなくなりました。しかし発売までには4か月しかありません。新しい設備の導入や品質の確認など、やることは盛りだくさん。通常の商品の開発とは全く違うスピード感で開発を進めていきました。

インタビューを繰り返し、よりおいしくするためにはどうしたらいいか、ニーズはなにか、満足感のある重さや形態、価格についてもご意見を抽出し、商品へ落とし込んでいきました。すべてを盛り込めたわけではありませんが、完成した商品はお客様と作り上げたといって過言ではないかと思います。

大変だったのは、「リッチテイスト」の名にふさわしい、しっとり食感を出すことでした。種や芯が丸ごとが入っている「まるごと野菜粉末」は、食物繊維も多いため、モソモソした食感になりやすい。これをカカオバターと果汁を絶妙なバランスで入れることで、しっとりとした食感に仕上げています。
コーンについては、大きさの違う2種類のまるごとコーン粉末を使用しています。その理由は、口の中でのへばりつきを改善し、飲み込みやすくするためです。この工夫が、今のくちどけを実現しています。

まるごとビーツ粉末はチョコレートのようなコクがありますが、こもった風味にもなりやすいというマイナス要素も持ち合わせています。そこで、ラズベリーを入れることで、酸味を局在させ、単調さを緩和し、より上質な味わいになるように工夫をしています。ラズベリーについても新規の原料導入のハードルがあったものの、原料加工チーム、調達チームの方の方に協力して頂き、無事発売することができました。
たくさんの方の協力の元、まるごと野菜を「スイーツ」に進化させることができたと思っています。

更なる進化へ



本当は、もっとたくさんの方に食べていただきたい。野菜っておいしいなと思っていただきたい。もっと安心しておいしく食べて頂けるものを目指して原料の見直し等、今でも開発をし続けています
コーンの原料については、今後タイ産から北海道産へ切り替わる予定です。品種も変わるため、今のものよりも甘味や風味が強くなります。お客様がどのように感じていただけるか、今から楽しみです。

私たちまるごと野菜チームの今後の目標は、まるごと野菜を世の中に広めていくことです。

ZENBペースト、スプレッド、スープ、そしてスティック。
もっと身近に皆さんの生活の一部に入っていけるよう、魅力的な商品作りを目指していきたいと思います。


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