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新米コンビで初開発!野菜だしにこだわったから“夜遅く食べても罪悪感なし” ZENBベジラーメンスープ

「ZENBベジラーメンスープ」は、2022年12月に発売したZENBヌードル用の調味料です。ZENBヌードルと合わせて、小鍋一つで簡単に豆のゆで汁まで使ったラーメンが楽しめます。動物性原料不使用で、野菜の出汁をメインに使用しているので名前は“ベジラーメンスープ”。フレーバーは「野菜だし醤油」、「野菜だし塩」「野菜だし味噌」「ベジとんこつ風」「トマトチリ」「ごま担々」の6種類です。
今回は、そんなラーメンスープができるまでの道のりを商品開発担当の伊藤妃渚よりご紹介させていただきます。

商品企画&開発担当者 (写真右より)
伊藤妃渚 株式会社Mizkan Holdings 新規事業開発 マーケティンググループ  
 2021年入社。
南部沙季 株式会社Mizkan CRM本部 お客様相談センター
 2020年入社。ZENB R&Dグループではヌードル用調味料などを開発し現職
 ベジラーメンスープでは野菜だし醤油、ベジとんこつ風の味づくりを担当



ゆで汁を活かしたラーメン開発

「まずはパスタにして食べる」という方が多いZENBヌードルですが、それだけじゃないんです。パスタのようでパスタではない、全く新しい麺。黄えんどう豆100%でできた麺は、パスタだけでなく汁麺や和麺など、様々なレシピでアレンジして楽しめます。また、豆のだしが出たゆで汁までまるごと使えるのがいいところ。ZENBヌードルのゆで汁には豆の優しい甘みと旨みがギュッと詰まっているので、出汁として色々な料理に使えます。
そんなヌードルの魅力を伝えるべく、”豆の出汁が出たゆで汁をまるごと使い、汁麺としてのメニュー提案をする”という目的で、21年の春には「ZENBベジヌードルスープ」を発売。
ベジヌードルスープで、ZENBヌードルの新しい食べ方を提案できると思っていたのですが、売り上げは伸び悩んでいました。

なんとか打開するアイディアはないか、と考えていた中で、目を付けたのは味種の拡大。オニオンポタージュ、トマトチリ、野菜だしみそ、ごま担々の4種類の品ぞろえの中で、人気なのは野菜だしみそとごま担々というラーメン系の味種でした。そこで新たに“ラーメン系の商品を増やし、ヌードルの魅力度アップにつなげる”、というテーマを進めることになり、新たにラーメンの定番である、醤油、塩、とんこつを開発することになりました。

野菜出汁にこだわった味づくり

とはいえ、私は入社二年目。初めてメイン担当として一から商品開発を取り組むテーマとなります。ドキドキでしたが、同じチームの金田先輩にフォローいただきながら進めることになりました。

タッグを組んでくれたR&Dチームの担当は藤原氏と南部氏。南部氏も新米技術者で、私と南部氏、共に1からの商品開発がはじめての新米コンビで取組むことになりました。 
始動したのは初夏でしたが、熱々のラーメンが食べたい季節はやはり冷えた冬の日。ということで半年以内の発売を目指し、”今年の冬にはラーメンスープでみなさまの心と体をポカポカに温めるぞ~”という思いでのスタートでした。

まずは一緒にラーメン探索。行列のできるラーメン店を巡り、目標品質を定めました。一日に3杯ずつラーメンを食べたのは今でも良い思い出です。
鶏ガラや煮干しから旨みを抽出した濃厚なスープは大変食欲をそそりますが、ZENBではこれを植物性の原料で作ること、さらに添加物に頼らず実現することにこだわっています。

しかも、おいしさだけでなく体の事も想ったスープは、原料の制限だけでなく、塩分量や脂質量などもできるだけ抑えたい。“ヘルシーな罪なきラーメン”を目指して、原料や栄養成分値とにらめっこしながら味づくりを進めました。
開発をするにあたり、どのフレーバーも意識したのは、ゆで汁から出る豆のおいしさを邪魔しないこと。豆の風味や旨み、甘みを活かせるよう、ベストなバランスをひたすらに研究して作り上げていきました。

「白菜だし」でブレイクスルー

出汁がラーメンのベースであり、美味しさ、旨みを立たせる重要な要素でした。出汁作りは先輩の藤原氏が中心になって進めました。鍋に玉ねぎ、人参、椎茸、大根、長ネギなどなど、様々な野菜を入れて、丁寧にコトコト煮るところから。20品ほど試作を繰り返す中で、白菜の魅力に気付きました。

あたり付けで白菜を炒めて甘味を引き出し、米油や塩と合わせ、ペーストにして加えてみたところ、旨味が一気にアップしたのです。これをヒントに白菜メインの野菜出汁を作りました。この野菜出汁が醤油、塩、とんこつ風スープの味のベースとなっています。

また、とんこつ風スープでは豚骨特有の臭み、これを植物性原料で出すことに苦労しました。これも、試行錯誤を繰り返し、ネギオイルやホワイトペッパー、ガーリックオイルなどの旨みを合わせることで再現。さらに、コクを出すために、練りごまや味噌、ナッツを加えて味に深みを持たせました。試食してもらうと、「とんこつは使っていないのに、不思議ととんこつスープっぽく感じられる言ってもらえることができました。(南部氏)」

味種に合わせて、香りや旨みを活かす工夫
開発をしていく途中で、味種によって、調理方法を変える方がおいしく仕上がることに気づきました。もともと発売していた「ベジヌードルスープ」は麺にスープの旨みをよく絡ませる目的で、麺とスープを始めから一緒に煮込む作り方でした。
しかし、醤油ラーメンでは、ゆで汁から出る豆の風味に醤油が負けてしまい、醤油感が薄くなってしまいました。

そこで、麺とスープを一緒に煮込まず、スープは器に入れておいて、最後に合わせる作り方へ変更することにしました。そうすることで、醤油の旨みがしっかり感じられる、香り高く上品なスープに仕上げることに成功。味噌や塩も同様の作り方にすることで、味噌の香りや塩ならではキレを活かすことができました。
一方で、とんこつ風やごま担々、トマトチリは、とろみや深いコクが大切なので、麺と一緒に最初からスープを入れる作り方に決めました。

細麺でもおいしく食べてほしい

また、もう一つこだわったポイントがあります。それはZENBヌードル細麺でも美味しく作れること。

ZENBヌードルは細麺タイプもあるのですが、細麺でラーメンを作ると麺が柔らかくなってしまい、うまく作れないというご意見をお客様からいただいていました。

細麺でラーメンを作る際は、麺をゆでた後、ぬるま湯であらうことがポイント。少し手間はかかってしまいますが、麺の引っ付きを防ぐだけでなく、麺にコシがでるので、ラーメンのような汁麺メニューでも細麺のつるっとした食感が楽しめます。

また、細麺は丸麺よりもゆで時間が短くなるので、ゆでている間の水分の蒸発量が変わってしまいます。なので、細麺に合った水の量で調理することも大切です。

ラーメンスープのパッケージ裏面には、細麺の作り方のサイトに飛べるようQRコードを付けています。

夜食に食べても罪悪感なし

ZENBベジラーメンスープは、みなさまの手で作っていただくラーメンです。
手作りのラーメンは自分好みに具材を一緒に煮込んだり、トッピングしたり。そこにはオリジナルのおいしさがあります。

私にとって手づくりのラーメンといえば、酔っぱらった父が作るとっておきのラーメン。
幼い頃から飲み会帰りの父が「一緒にラーメン食べる?」と言って、よく母に内緒で作ってくれました。夜中のラーメンって、罪悪感はありながらも、ついやめられないもの。

このラーメンスープは、ゆで汁に溶けだした豆の栄養や旨みもしっかり味わえる、素材のおいしさが活きたスープです。やさしくてほっこりとする、そんなラーメン。夜に食べても罪悪感がなく、満足感もヘルシーも全部叶える。これなら酔っぱらった後のシメでも大丈夫。今では実家の夜食はラーメンスープ一択。もう若くない父の健康をちょっとだけ気遣っています。

ラーメンは大好きだけど、健康を意識してちょっと避けているという方。ラーメンを食べるとつい罪悪感を抱いてしまう方。そんな方にこのラーメンスープとZENBヌードルで、オリジナルのラーメンを作っていただけると嬉しいです。


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