プラントベースでも本格的なカレーにこだわり抜いた まるごと野菜のスパイスカレー
「ZENBまるごと野菜のスパイスカレー」は、2023年1月に発売した商品です。実は商品企画の担当は別にいたのですが、一身上の都合で退社してしまいましたので、最終的に商品導入を担当しました金田志穂より、ZENBカレーが出来るまでのストーリーをご紹介させていただきます。
商品企画＆開発担当者
2017年入社。開発技術部でおむすび山、鍋つゆなどの開発を経て、2020年より現職。
竹内稔（写真左） 株式会社Mizkan Holdings 新規事業開発 R&Dグループ
1999年入社。開発技術部で 味ぽん、追いがつおつゆ、ごましゃぶ、金のごまだれなどの開発を経て、2016年より現職。
まるごと野菜が主役のカレーを作るということ
ZENBカレーは、私が商品企画を担当したZENBスープの兄弟商品です。
スープのストーリーはこちら↓
ZENBスープの試作に打ち込んでいたある日、竹内氏と元担当のH氏が料理家の先生に品質を見てもらったところ、厳しい一言をいただきました。
「まるごと野菜はクセがありすぎる。これを使っておいしいスープにするのはすごく難しいこと。スパイスを大量に入れるカレーにするくらいでないと厳しいのでは。」
まるごと野菜は、野菜を実だけではなく普段捨てている部分まで、素材に合わせた方法で蒸したりゆでたりしておいしさを引き出したもの。だから、普段食べていない部分も含めて栄養が摂れるし、素材が持つ本来のおいしさが味わえます。でも、まるごとの分、多少クセがあるのも事実。
先生の厳しい声にショックを受けるメンバーもいましたが、チームで話し合い、「それなら、スープだけでなくカレーも作ってみよう！」と頭を切り替えることにしました。
色々なおいしさが詰まった複数のまるごと野菜を組み合わせれば、おいしいカレーが作れるのでは？というアイデアも出て、カレーの開発に着手しました。
数あるまるごと野菜粉の中からベースに選んだのは、まるごとかぼちゃ粉。
特にクセがある原料ですが、スパイスとの相性が抜群だったのです。
どうしたらまるごと野菜のおいしさを活かしつつカレーとしてのおいしさを極められるか。来る日も来る日も試作を続け、最終的にはかぼちゃ、パプリカ、枝豆の3種類のまるごと野菜粉を組み合わせることに。「パプリカ粉と枝豆粉は、かぼちゃ粉にない酸味と旨みを補填してくれ、美味しさを引き上げる名脇役だと思います。」（竹内氏）
プラントベースでも本格的なカレーへのこだわり
ZENBはプラントベース＆グルテンフリーにこだわっていますが、カレーで両立している商品はあまりありません。だからと言っておいしさを妥協することはできない。これでいいやではなく、これがいいと選んでもらえる本格的なおいしさを目指そう。そう考えて味づくりを進めました。
野菜の風味を生かしながらも本格的なカレーを実現する。そのために小麦粉を使わないスパイスカレーをベースにしました。
スパイスの選定にはかなり気をつかいました。クミンやコリアンダー、クローブ、ターメリックなど数種類のスパイスに黒胡椒と唐辛子を絶妙なバランスでブレンドすることで、本格感がありながらもほどよい辛さの味わいに仕上げました。
目指したのはあっさりとコクの両立。旨みの強いマッシュルームと、甘みが特徴の玉ねぎをじっくり炒めてソテーにして加えていますが、それだけではまだ不十分。実は隠し味に味噌を使っています。日本の伝統調味料である味噌は、まるごと枝豆粉との相性も良く、こだわった点の一つです。（竹内氏）
また、一般的なプラントベースのカレーには、大豆ミートが使われていますが、ZENBカレーは具材もすべて野菜だけで作ることにこだわっています。
具材に求めたのは自然で優しい甘さ、香り、食べ応えです。
いろいろな野菜を試した結果、グリルパプリカ、かぼちゃ、オニオンソテーを使用することにしました。それぞれがスパイスのおいしさを引き立てくれています。
まるごと野菜粉のベースに野菜具材を加えているので、野菜のおいしさが味わえると同時に、カレー一杯で128gの野菜がとれる商品になりました。
最後まで悩んだのは、辛味の調整です。
カレーとして満足感を出すためには、ある程度辛さが必要。
しかし、辛くしすぎるとまるごと野菜の風味を消してしまう。何より、より多くの人においしいと思ってもらえる品質に仕上げたい。
他社品の売上上位品や辛味の人気などを調べたり、カレー屋さんに試食に行ったり。
どのくらいの辛さが最適なのか？を考えながら、試作を繰り返しました。
数十回の試作が実を結び、最終的にカレー野郎ことルー大西さん（COCOCOROチャンネルYoutuber）からも、「絶妙な辛さ」とお褒めの言葉をいただく品質に仕上げることが出来ました。
辛いものが苦手なカレー担当
発売一カ月前。当時の商品企画担当だったH氏が一身上の都合で退職することに。そこで引継ぐことになった私ですが、実は私は、辛いものが苦手。
しかし、竹内氏とＨ氏の想いが詰まったZENBカレー。
なんとかして無事に発売させなければ・・・！
まるごと野菜を使ったこだわり、栄養素へのこだわりなど、細かい部分まで理解することが必要なため、確認作業は年の瀬まで続き、なんとか無事に発売することが出来ました。
新ジャンル・罪なきカレー
普段捨ててしまう皮や種、へたなども使用したまるごと野菜は、繊維質をたっぷり含んでおり、水分を飛ばして凝縮しているので、小麦粉を使っていないのに自然なとろみがあるカレーになりました。しかも、素材まるごとのおいしさも栄養も味わえます。
今日も疲れたお腹が空いた、しっかり食べたい、でもカラダにやさしくしたい。そんなあなたのわがままを叶えられる、ZENBカレー。
ぜひキッチンに忍ばせていただけたら嬉しいです。