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#2 蓮で口福いっぱい

脇屋友詞 / トゥーランドット臥龍居

日本における中国料理の重鎮、脇屋友詞シェフ。
その功績が認められ、黄綬褒章を受章するなど、日本を代表する料理人として、業界を牽引し続けている。

脇屋シェフが作る中国料理は、上海料理の伝統を軸に据え、旬を取り入れた体にやさしい中国料理。かつて大皿とりわけが基本だった中国料理に、一皿ずつ適量をサーブするフランス料理のエッセンスを取り入れ、中国料理の歴史を20年早めた男ともいわれている。

現在は食の未来を見据え、35歳未満の若手料理人の発掘、応援を目的とした日本最大級の料理人コンペティションRED U-35の審査員長も務めている。


そんな脇屋シェフが未来へ遺すべき作品と聞き、迷わず選んだ“未来につながる食材”は「蓮」。日本で一般的に食べられている地下茎の「蓮根」だけでなく、実や花、茎や葉、すべてを使った作品作りに挑んだ


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未来へ遺すべき一皿は、蓮の花を乾燥させた蓮の花茶から。
蓮の茎をさっとボイルしたストローで頂く。

メインの料理は、蓮の白とピンクの花を2種類のもち米料理で表現した、お祝いなどのめでたい席に大人数で分け合い、笑顔の花を咲かせたいという想いを込めた一皿。

白の花は、もち米を蓮の葉で包んで蒸しあげるちまき。
蓮の葉丸ごと1枚をボウルにかぶせ、その中央にアヒルの塩卵、鶏のスープで炊いた蓮の実、酢を含ませた蓮根を敷き詰め、具材を混ぜ合わせたもち米を詰めて蒸し上げる。蓮の葉の香りをまとった、風味も食感も豊かな一品。

ピンクの花は、赤酢でピンク色に仕上げたチャーハン。
蓮根と実を使い、ごはんと蓮だけをシンプルに味わえるように仕上げた。


なぜ、この一皿を未来へ遺すべき作品に選んだのか。

蓮にはいろんな食べ方があるということは中国では何千年も前から伝わっており、現在も蓮根だけでなく、実や茎、葉すべてを食べる習慣がある。日本でもこういった食材すべてを使い切れるということを広めて行きたい

今まで捨ててしまっていた部分に新しい可能性を示すことは、生産者や未来の人の希望になる。食材を無駄にしないで新しい可能性を探し続ける人によって、みんなが笑顔になる料理を食べ続けることのできる食の未来が作られていく。

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