2023年4月、ZENBパスタソース4品を発売しました。
 
商品企画担当の金田より、ZENBパスタソースを発売するまでの道のりをご紹介させていただきます。
 

商品企画＆開発担当者

シンプルな原料でプレミアムなおいしさを目指して

ZENBパスタソースの検討は、実はまったく違ったテーマからスタートしました。そのテーマは、
素材＋油＋塩だけという極めてシンプルな原材料でおいしいプレミアムソースを作る
というもの。
 
ZENBでは、環境負荷の少ない植物性の原料だけでおいしさを作り上げることにこだわっています。
そこで着目したのが、トマトときのこ。
旨味や食感に特徴があり、調理によってこれらの素材のおいしさを引き出すことで、素材＋油＋塩だけという極めてシンプルな原材料でもプレミアムなおいしさのソースが作れるのではないかという仮説のもと、調理技術を磨くことにしました。
使用する原料を限定するという制約をあえて自分たちに課すことで、素材のおいしさを引き出す調理工程を貪欲に追い求めることが出来ました。

トマトソースで再現したかったのは、トマトのフレッシュな風味です。
まず複数種類のトマト原料を組み合わせることから始めました。
十何種類あるトマト原料を食べ比べ、それぞれ違った特徴があるトマト原料を絶妙なバランスで配合することで、トマトのおいしさを堪能できるように設計しました。

プレミアムトマトソースは、たっぷり使ったトマトの水分を活用し、水を加えずに作ることにしました。 パスタソースを手作りする場合、生のトマトやトマト缶を煮詰めてソースを作ると思います。一方で、市販のソースの多くは既に濃縮されたトマト原料を水で薄めて製造することが多い。今回は余分に水を使わずにトマトの水分を活かしてソースにしました。
 
一番の難関だったのは、殺菌工程でした。
安全な製品をお届けするためにはしっかりと殺菌をする必要があります。しかし、レトルト殺菌と呼ばれるこの工程は、風味を劣化させてしまう。
素材にこだわり、配合にこだわり、調理にこだわっても、過酷な条件で殺菌をしてしまうと、せっかくのトマトの風味とフレッシュ感が失われてしまう。

今回は通常よりも殺菌温度を下げることでフレッシュ感を維持する方法を見出しました。
殺菌温度を下げてしまうと通常よりも殺菌時間が長くなってしまうので効率が悪いのですが、製造工場の皆さまのご協力もあり、レトルト殺菌したとは思えないようなフレッシュなトマトソースを作ることが出来ました。（小松氏）

きのこソースは、きのこの旨味を引き出すことにとことんこだわりました。
選んだきのこはエリンギ、マッシュルーム、えのきたけの3種類。どれもきのこの持つ独特なクセがなく、旨味がたっぷりの素材です。素材に合わせたサイズにカットし、じっくり丁寧にソテーすることで、香ばしさと旨味を最大限に引き出すことに成功しました。

ここで難しかったのが、キッチンでの調理工程を工場で再現すること。
手に取りやすい価格で商品化するためには機械を使って大量に調理することも必要になりますが、大量のきのこをカットしてソテーすることは困難を極めました。
具体的な製法は技術特徴のためお話しできませんが、諦めずにトライ＆エラーを繰り返すことで工場でも理想的な調理を実現することが出来ました。（笠井氏）

こうして実現した、”プレミアムソース”。
評価も上々で、順調に見えた開発でしたが･･･
 

シンプルなソースはいらない？

出来上がったプレミアムソースを、生活者の方々に食べていただきアンケートを実施したところ、「おいしいけど、あえて選ばない」という悲しい結果。
何が足りないのか･･･アンケート結果を詳細に分析したところ、「具材がなくて寂しい。おいしそうに見えない」というご意見が多く見られたのです。
パスタソースは、かけるだけで食卓に華やかさをプラス出来ることが重要。
そのことに気づいた私たちは、プレミアムソースで培った技術を手に、すでに販売していたソースベジシリーズ４品を全面的にリニューアルすることを決意しました。
決めた方向性は大きく二つ。

プラントベース、なのに驚きのおいしさを実現する。

さらに、

ZENBヌードルだけでなく、小麦のパスタでもおいしいと言ってもらえる品質を実現する。

ZENBパスタソースは、この二つの目標に向かって取り組むことになりました。

【開発秘話】ZENBパスタソースが出来るまで（後編）に続く