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#46 落合務 ~未来へ遺すべき一皿 ~Cucina Haliana in Giappone la Adesso La Bettol~

落合務/ラ・ベットラ・ダ・オチアイ

魚のカルパッチョが実は日本のオリジナルであることを知っているだろうか?
誕生させたのは、「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」オーナーシェフ落合務。
日本にイタリア料理のおいしさ、楽しさを広げたイタリア料理界の巨匠である。

本場イタリアでは魚でなく子牛の生肉を使われる。落合シェフがイタリアでの修行を終え、赤坂のレストランでシェフとして働き始めた1982年では、生の肉を薄切りで食べる人は少なかったという。日本のお客様にも喜んでもらえるようにひらめいたのが魚のカルパッチョである。
 

料理の世界に飛び込み、町場のレストランでいろはを学び、ホテルでセンスを磨いた。イタリア各地で修業を積み、帰国後料理長を務めた高級イタリアンレストラン「グラナータ」では、予約がとれないほどの人気ぶりになった。

独立して銀座にオープンした「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」をオープン。夜のコースは長らく据え置きの3800円。高級店の料理長がカジュアルに楽しめるレストランをオープンさせたと会って連日大盛況。現在は都内に四店舗、名古屋にも店を構える。
 


落合務の未来に残すべき作品は、今回初となる三品の作品
理由は「ラ・ベットラ」、つまり定食という意味の店名にあった。
「手頃な価格でイタリアのあじをお腹いっぱい食べてほしい。その思い出続けてきた。」(落合シェフ)
そして三品にした理由が実はもう一つ。2021年に癌が見つかり、自信が知ってることは惜しげもなく教えていきたいと思ったいという。

 
1品目は、新しい形のカルパッチョ
味の決め手の一つは昆布を使った“コブサミコ“で味付けをした上質なバルサミコと昆布だしを合わせ、赤ワインビネガーを少し加えた。
愛媛の真鯛を半分昆布で〆め、半分は生で。昆布〆めのねっとり感と生の歯ごたえ、旨みのグラデーションを楽しめる。もう一つの味の決め手は昆布アボカドです。マヨネーズ。卵黄はコブサミコに一晩つけ、昆布の旨みで包み込んだ。
80年代自らが考案した魚のカルパッチョを昆布を使い、未来の一皿へアップデートした
 
2品目は、うにのスパゲッティ。
フライパンに昆布ダシを加え。モルトアルデンテで硬めにゆでたスパゲッティをゆで直す。今回昆布だしを使うにあたり、落合シェフはパスタを煮込むというあえて禁じ手を用いた。かなり硬めにゆでたパスタを出汁を吸わせる余地を残して茹であげ、新しい形にアップデート
 
3品目は、リゾット。
カルパッチョに使った鯛のあら汁、昆布だし、しいたけ。パルミジャーノをあわせた。

なぜこれを未来に残そうとしたのか。 

「イタリア料理なんだからイタリアにある通りやれってずっと言い続けてきたんですよ。ところが、やはり最近フランス、スペイン、イタリアでも、日本のうま味というのは改めて見直されてますし、改めて自分もそうだなと思うようになりました。だから、日本の食材本当にはこんなにいろんな食材がたくさんあるんだから、後に続く皆さんに、もっと日本の食材を自信持って使おうぜ。そういう気持ちに改めてなりました。」(落合シェフ)

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