#48 関谷健一朗 ~未来へ遺すべき一皿 ~L’ Héritage( 継承と深化)
ガストロノミージョエル・ロブション/関谷健一朗
フランス料理界「最高峰の称号」M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)それは日本で言う人間国宝のようなもの。日本人シェフ、並びにフランス人以外では初めて受章したのが、関谷健一朗氏。
東京恵比寿で、17年連続でミシュランの三ツ星をいただくフレンチレストラン。ガストロノミージョエル・ロブション。関谷氏は2021年に総料理長に就任した。
ロブションが見守る中一皿一皿に魂を宿している。「Le Caviar Impérial dr Sologne キャビア アンぺリアル ロブションスタイル」中央に蟹のサラダを丸く盛り付け、その上にキャビアを贅沢に飾る。周りにに甲殻類の柔らかいジュレを敷き詰めカリフラワーのクリームとパセリのピュレでドットを描く。
関谷氏は22歳で単身フランスへ。有名店を渡り歩き研鑽を積んだ。
ある日運命の出会いが訪れる。「ロブションは、食べに行ったっていうのが最初ですね。世界的に評価を得ているお店でもたくさん働きましたけれど、どこのお店よりもロブションのお店の料理を美味しく思えたっていうのがきっかけです」
26歳でパリ「ラトリエ ドゥ ジョエル ロブション 」の厨房へ、瞬く間にロブションの信頼を得て同年スーシェフに昇格。四年後、六本木ラトリエの料理長として凱旋帰国を果たした。自身の思い描くフランス料理に近づくために生産者とつながり、食材の生育環境まで徹底的に学び、美味しさを余すところなく引き出す現在のスタイルに辿り着いた。
未来に残すべき作品は、「L’ Héritage( 継承と深化)」
「甲殻類とカリフラワーとキャリアというこの三つの食材を使って、どれだけいろんな表現方法ができるかなと思って考えた一皿です」
関屋氏が今回一番悩んだのが、エビの温度帯。生のおいしさと軽く火が入った味わいを引き出すため、エビのタルタルをボイルした車海老の腹に詰め、余熱で半生の状態に。味のグラデーションを付けた。
カリフラワーは細かく切って下茹でしたものと、カリフラワーのクリームを混ぜ合わせた。そしてエビの殻を用いたジュレ。キャビアのせ、金箔で飾り付けた。
「来日の度に必ずお寿司を食べに行かれていたロブション氏とお寿司のつながりっていうのを少しだけこうお皿に取り入れてみました」
なぜこの一品を未来に遺す一品として作ったのか。
「味の組み合わせ、三つの食材の組み合わせを伝え買った。そしてカリフラワーのクリームだったり、甲殻類のコンソメだったり、そういった手間暇はかかるけれど何物にも代えがたいそうい。そういったものを使いながら、新しいアプローチをした一皿が作りたかった」
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