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まるごと野菜の“Simple is Best”なおいしさを目指して

2024年10月に発売のZENBスープ「パンプキンのポタージュ」と、「コーンのポタージュ」ができるまでを、商品企画担当の大西よりお話させていただきます。
事の始まりは、スープに使用している「まるごと野菜原料」が変更になったことがきっかけでした。

まるごと野菜原料がより美味しく


普段は食べずに捨ててしまう部分もまるごと野菜の栄養やおいしさを活用できる原料。言うのは簡単ですが、ZENBの根幹であるまるごと野菜原料の開発には長い年月と開発者の苦労がありました。

ZENBは世界の野菜の旬のおいしさをまるごと届けるということで海外の原料開発にもこだわってスタートしましたが、一方で国産の野菜への検討も進めてきました。
スイートコーンとかぼちゃは、気候が温かく、年何度も収穫できるタイ産の原料を使用していましたが、日本は年1回の収穫。北海道の生産者の協力を得て開発を進め、検討スタートから7年ほどかかり、今回ようやく日本人に馴染みのある国産野菜の味、風味、色を引き出した原料の導入をすることができました。
一方で、今まで使っていたタイ産の原料を国産の原料に単純に切り替えることができるかというとそういうわけにはいきませんでした。

1つを2つに

実はZENBスープ商品の一つである「パンプキンとコーンのポタージュ」に使用していたタイ産かぼちゃ粉とスイートコーン粉を国産に変更することから始まったテーマでしたが、国産原料はタイ産とは製法も品種も異なるため、原料としてそのまま製品に使用するにも課題が出てきました。かぼちゃは、タイ産がオレンジスキンパンプキンだったのに対し、国産は見慣れた皮の緑かぼちゃ。さらに、より甘さが感じられる品種に変わりました。また、スイートコーンも、タイ産は甘味があるものの芯の比率も高いものでしたが、国産は色味も明るく甘味の強いものに変わりました。これらの課題からも分かるように、原料をそのまま置き換えるだけでは全く同じ味にはなるわけもなく…。

それならばパンプキン、コーンをそれぞれ別商品として設計してはどうか、と商品開発担当の竹内さんからの提案を受け、「パンプキンのポタージュ」、「コーンのポタージュ」の2品を開発しようとテーマが走り出しました。

最初の試作品を提示してもらいましたが、それぞれの野菜の風味が際立ち、美味しいものが出来つつあったので、スムーズに進むのではと淡い期待を抱いていました。

糖質との格闘の日々...

しかし、そんなに簡単には終わりません。
まるごと野菜のおいしさを生かすということだけでなく、健康や美容のために糖質を気にする方に安心して食べてもらえるということに、ZENBスープはこだわってきました。糖質を10g以下に抑えた低糖質のスープを、甘味料などに頼らず、素材のおいしさを生かすということの中で実現するのはとても難しいことでした。そもそも、一般的に野菜の中でも糖質の多いかぼちゃやスイートコーン。糖質量に制限をかけるとなると、まるごと野菜原料の使用量にも制限が出てしまい、素材の美味しさが表現できない。使用量を減らし、きのこやニンニクなどの原料で旨みや風味を補填すると、かぼちゃやスイートコーンの味が隠れてしまう。料理家の先生に相談しても「無茶な要望だ。」と言われる始末。
そこから、糖質を計算しながらの品質検討の日々でした。

まるごと野菜のシンプルなおいしさを

まるごと野菜を引き立たせてくれる原料の組み合わせをさまざま検討した結果、穏やかな風味でしっかりとした旨みのある塩こうじと、まろやかなコクのあるカシューナッツに行きつきました。

さらに、「コーンのポタージュ」は、香味野菜を使ってしまうとせっかくのスイートコーンの優しく甘い風味が隠れてしまうため、香味野菜は加えず、具材として風味の強い粒スイートコーンを選定しました。粒スイートコーンを噛んだ時のみずみずしい食感が楽しく、自然な甘みを感じられます。まるごと野菜の良さを活かしつつ余計なものは加えずにそぎ落として行ったことで、なんと5つの原料だけとなり、素材を活かしたシンプルなおいしさに仕上がりました。

パンプキンのポタージュは、かぼちゃと相性の良い香味野菜を使うことでおいしさの底上げをし、品質を作り上げました。かぼちゃの種やわたの風味がほのかに感じられ、まろやかな旨みのある味わいになっています。

野菜本来の風味・スープとしてのおいしさ・健康感。すべてのバランスがとれた商品が完成しました。

「また飲みたい」そう思ってもらえる商品に

ポタージュに関してお客様の声を伺っている中で、油っぽい、脂質が多いといったご意見をいただいておりました。これまで販売していた「パンプキンとコーンのポタージュ」に比べて、新しく開発した「パンプキンのポタージュ」、「コーンのポタージュ」はともに脂質量が1/2ほどになっていることに気づきました。

これは野菜のおいしさを追求したがゆえの結果であり、もちろん糖質や塩分を抑えたこともありますが、油感がこれまでよりも減ったことで、スープとしてしつこさがなく、飽きることなく飲んでいられる、いや、また飲みたい!そう思える商品になったと確信しています。

恐らく大半の方が、かぼちゃ、コーンを使ったポタージュはしっかり甘い風味があるイメージが強いのではないでしょうか。しかし、この商品は良い意味でその期待を裏切る味わい、これまでにはなかった、野菜本来のシンプルなおいしさをぜひ感じていただければと思います。