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誰でも思いっきり食べられる新しい主食に。「ZENB ヌードル」に込めた思い

ZENBヌードルの開発当時、商品企画を担当していた和田です。
ZENBヌードルを企画したマーケティングチームを代表してゼンブヌードルに懸けた思いをお話しします。

左から)前田哲也(健康エビデンス担当)、和田悠(開発時、ZENBヌードル商品企画統括)、
田邉諒亮(外食連携担当)

プロジェクト名「新主食」


開発技術チームで麺の開発がスタートした3か月後、2018年12月にマーケティンググループでも新チームが編成されました。
プロジェクト名は「新主食」。
おいしくてカラダにもよく、環境にもやさしい食生活を提案していく、というZENBのビジョンに対し、食卓のメインであるごはん、パン、麺など主食と言えるものに新しい価値を加えることで貢献していくというテーマでした。

私にとってはまさに運命的といっていいテーマでした。
さかのぼること今から30年以上前。私の兄弟は3人ともアレルギーで、小学生時代2年間ほど家族で食事制限をしていました。白いご飯はダメ、小麦パンはダメ。毎日の主食は、雑穀の「あわ」「ひえ」「きび」の繰り返しでした。食事制限が終わった小学生3年の時に、久しぶりに食べた白いご飯の感動的なおいしさが、今でも忘れられません。「食で人ってこんなに幸せになれるんだ」という体験を小学生ながらにしたのが私の原点。その原点があったからこそ、食品メーカーのミツカンに入社した私。だから、「新主食」のテーマが与えられた時には、まさに「きた~!」という思いでした。

新主食の開発をはじめるにあたって、お客様や社員の声を聞いてみました。
その中で、意外と多くあったのが、「主食は、我慢して食べている」という声。おいしいから本当は思いっきり食べたい。でも主食は糖質多いし、食べ過ぎると太るのであまり食べたくない!というもの。
(そういえば私の妻も夕食のごはんはお茶碗にスプーン1杯分程度だけ。これで元気出るの?って毎日思うのですが、太るから絶対嫌だの繰り返しでした笑)

逆に、健康を気にして雑穀米や全粒粉パンを食べている人からは、「なんとなく体にはよさそうだけど、なんか物足りない」「やっぱり普通のごはんも食べたいなと毎日感じながら食べている」との声も聞きました。
いつもの主食は、健康が気になって思い切り食べられない。けれど健康的な主食は我慢して食べているような気がしている。
そんな現状が見えたことで、「自分が作る新しい主食で、今の主食の概念自体を変えてやる!」「我慢なしで思いっきり食べたくなる新主食を作ってやる!」という志を持つことができました。

  「黄えんどう豆」との出会い


開発技術チームが、野菜、穀物、豆など、様々な植物素材から麺を試作し、試食をくり返す毎日の中で、私たちが特に注目していたのが「豆」でした。
「豆」は欧米のヘルシー麺でもよく使われている原料ですが、栄養価が高いのが特徴。たんぱく質、食物繊維、ミネラル、ビタミンがたっぷりなのはご承知の通り。しかも、豆は共生する根粒菌が大気中の窒素を取り込むことで成長するので、環境汚染につながることが指摘されている窒素肥料なしでも生育できる、地球にやさしい特徴もあります

どんな豆を選ぶか、日本人にとって豆と言えば「大豆」を思い浮かべると思います。言わずもがな納豆、豆腐から、調味料の醤油、味噌まで日本人の食生活を支えている素材です。麺を作る上で大豆も試したのですが、大豆の場合はたんぱく質がとても多く、栄養面では申し分ないのですが脂質が多いという特徴もあります。脂質が多いと麺にしたときに食感や香りがよくないという問題に直結していました。いろんな豆を試した結果、もっとも麺の適性が高かったのが「黄えんどう豆」という豆でした。

「黄えんどう豆」は、日本ではなじみがないですが、北欧やギリシャ、ロシアなどのエリアで伝統的に食べられてきた食材で、最近では、「ピープロテイン」という名前でプロテインの原料として欧米中心に使用されている食材です。しかも、黄えんどう豆をうす皮までまるごと無駄なく使う。なので食物繊維もたっぷりです。
「つなぎや添加物に頼らず、黄えんどう豆100%麺を作る。」
方向性は決まりましたが、発売までには、「麺としてのおいしさ」の追求「食べれば食べるほど健康になる」というエビデンスの確認この二つの課題をクリアする必要がありました。

毎日食べてカラダが変わる麺


「ゼンブヌードル食べると、午後気分がいい感じがする」

そんな話を開発者から聞いたのが、品質改良が進んできた2019年初めのことでした。
ZENBヌードルは1食14gの食物繊維がとれ、糖質もパスタよりも30%オフ、たんぱく質たっぷり、という特徴があります。

手始めに自分で一カ月毎日朝ごはんに試作段階のゼンブヌードル食べ、血糖値を図る生活を送ってみました。
そのあと、小麦のうどん、パン、おにぎりなどいろいろ試してみたのですが、黄色えんどう豆は糖質の吸収が穏やかそうと思い、ミツカンの研究所を中心に検証してもらったところ、黄色えんどう豆ヌードルは低GIと証明され、論文化につながりました。

また、食事記録アプリ「あすけん」に食事記録をしながら、ZENBヌードルを3週間で15食食べてもらうプログラムの検証を発売前に実施しました。その結果、70%の方の体重が減少。96%の方の食物繊維摂取量が増加する、といった結果もでてきて、新しい主食として今までの麺とは違った価値ができるのではとさらに確信が持てました。

麺としてのおいしさへこだわり


そんな健康的な麺も、おいしくなければ誰も食べ続けてくれない。毎日でも食べる主食だからこそ飽きずに食べられる「麺としての食感やおいしさ」にも同時に必要であると考えていました。

ZENBヌードルは開発当初からいろいろなメニューでおいしく食べられることを目指していたので、イタリアンの村山シェフ、中華の栖原シェフのお二人にそれぞれの見地から何度も試作品へのアドバイスをいただいてきました。

当初は、苦みや食感などかなり厳しい意見もいただいたところからスタートしましたが、その厳しい意見を受け、R&Dメンバーが原料加工、製麺条件、乾燥条件を何度も何度も見直し、工夫すること重ねることで、改善を図りました。特に、もちっとした食感、のど越しの良さ、ほのかな豆の風味、という点は、小麦麺とは違うZENBヌードルならではのおいしさを実現する上でこだわってきた部分です。最終的にお二人から「おいしい!これならいける」という評価をいただいたときには、R&Dチームのメンバーとともに、さらに発売に向けて頑張ろうと思えた瞬間でした。

ZENBヌードルの名前の由来

今でも、見た目もパスタっぽいのになんでヌードルという名前にしたのか、と聞かれることがありますが、商品名にはこだわりがありました。

最初にお話しした通り、「新しい主食になる」ということを目指していたので、パスタでも、ラーメンでも、まぜ麺でも、焼きそばでもおいしく食べられる、しかも和洋中エスニックどんな味付にも合う麺を目指して商品開発していました。(なので、イタリアンと中華のシェフのアドバイスをもらっていたり、4名の料理研究家の方に幅広くメニューを開発してもらったりしていました。)


発売に向けて商品名を議論していたときに、見た目通り「ZENBパスタ」にすればわかりやすいのでは、という意見もあったのですが、それではパスタにしか使われなくなってしまう、万能な麺であること感じられるネーミングがないものかということで考えたのが「ZENBヌードル」でした。
ヘビーユーザーの方からは「ZENB麺」という言い方をされることもあるのですが、万能な豆100%麺=「ZENBヌードル」ということにはこだわり続けていきたいと思っています。

そして発売・・・


そんな数々の取り組みの末に、2020年9月にゼンブヌードル発売することができました。
発売直後から定期的に購入者のアンケートやインタビューを行っています。
麺が切れやすいという声を頂き、製法を見直し、ちょうどよくゆでる方法がわからないという声には、おすすめゆで方を改めて整理し商品の裏面を見直したり、食べると粉っぽかったり麺同士がくっついてしまうという声に対しては、ゆでた後水洗いすることを推奨するようにしたり、購入していただいた方皆様からの声を一つ一つと向き合い、品質を見直しながら現在につながってきていると思っています


その結果もあってか、「今までグルテンフリーの麺にはおいしいものがなかったんだけど、ZENBヌードルはおいしいから本当にうれしい」という声や「小麦麺とは違ったおいしさがあって、糖質オフでたんぱく質もとれるって本当にありがたい」という声もいただいており、本当に頑張ってきてよかったなと思っています。
ZENBヌードルですが、今では累計で1600万食を販売し、定期コースで購入していただけている方も6万にを超えて増えています。(2024年4月現在)
「新主食」のプロジェクトは、ZENBミールやZENBブレッドも発売し、現在も続いてます。少しでも多くのかたの食生活を豊かにできるように、これからもZENBはチャレンジしていきたいと思います。

▼開発技術編はこちら


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