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【開発秘話】ZENBパスタソースが出来るまで(後編)



ZENBパスタソースプロジェクト、本格始動!


・プラントベース、なのに驚きのおいしさを実現する。
・ZENBヌードルだけでなく、小麦のパスタでもおいしいと言ってもらえる品質を実現する。

ZENBパスタソースは、この二つの目標に向かって取り組むことに決めました。

このミッションに応えるために、旬の素材のおいしさを大切にしたイタリアンを作ることで定評のあるリストランテ ホンダの本多シェフに、協力をお願いすることにしました。

本多哲也シェフは、外苑前に15回星を獲得した人気店を構えるイタリアンの巨匠ですが、ZENBマメロニをメニューで提供いただいたこともあり、快諾いただきました。

試作品をお持ちして、アドバイスをいただく。アドバイスをもとに改良した試作品を作り、またアドバイスをいただく。何度も繰り返しました。二つの目標を実現するために、時にはその場でキッチンからお店で使用している材料を持ってきて、実際に味づくりをしながら試作を続けました。


プレミアムソース技術の活用


プレミアムソースは、素材のおいしさを活かす技術を活かしながらも、シェフのテクニックを加えることで、二つの商品に生まれ変わりました。

「たっぷりトマトの無水ソース」
すでにトマトのおいしさには絶対の自信を持っていましたが、トマトのおいしさを最大限に表現したパスタソースに仕上げるために、玉ねぎ・にんにく・バジルを組み合わせました。隠し味として加えるバジルは、乾燥ではなく生に近いフレッシュな風味が残るバジルを選定しました。また、シェフからはもう少し酸味が穏やかな方が食べやすいというアドバイスを頂き、一般的な塩よりもミネラル分が多く旨味を付与することが出来る岩塩を使用することで、トマトソースのまろやかな塩味と酸味を実現することが出来ました。(小松氏)

「きのこ味わうペペロンチーノ」
プレミアムきのこソースで実現した凝縮したきのこの旨味を活かしながら、大きくカットしたひらたけを加えました。細かく切ってじっくりソテーし旨味と香ばしさを引き出すきのこと食感を楽しめるきのこを使い分けることで、具材の満足感と深みのある味わいを両立出来たと思います。当初は生のニンニクを中心にしていましたが、シェフのアドバイスでフライドガーリックオイルを加えることで、華やかな香りも楽しめるように仕上げました。(笠井氏)

植物の可能性を引き出したプラントベースソース


さらに、通常は動物性原料で作ることが当たり前のソースを植物性原料だけで作ったソースも開発しました。
こだわったのは、単に動物性原料のマネをするということではなく、植物性原料のおいしさを最大限に引き出し、動物性原料を使ったソースに匹敵するコクや満足感を実現するということ。
 

「香味野菜のベジボロネーゼ」
ベジボロネーゼの主役として選んだのは、ZENBのために開発した香味野菜ソテー。
香味野菜のおいしさを最大限に引き出すことで、肉に負けない、新しい満足感を表現する。その香味野菜のおいしさを引き立て、旨味をアップさせる原料として、トマトの存在は欠かせないと考えていました。しかし、シェフからは「ただの野菜入りトマトソースになってしまっていて、ボロネーゼ感がない」というご指摘が。
そこで、香味野菜ソテーを大幅に増やし、トマトペーストを減らす。さらにトマトペーストをオイルでソテーしてみたり、少しだけ味噌を入れたり、様々な工夫を施しました。
最終的に、フレッシュなトマトで旨味付けをすることで、香味野菜の繊細な風味を活かしたまま、濃厚な味わいのソースに仕立てることが出来ました。
また、ワイン、ハーブ、スパイスが合わさった複雑な味わいを実現するため、スパイスの配合には気をつかいました。
特にこだわったのはこしょうです。2種類のこしょう原料を組み合わせることで、爽やかな香りとピリ辛さだけでなく雑味もプラスされ、味に奥行きのある重厚な味わいが実現しました。
 

「きのこの濃厚ベジクリーム」
様々な料理店のクリームソースを食べてみて感じたのは、しっかりとした味の濃さはありつつも、ふんわりとまろやかな優しい味わいが必要だということ。
その優しい味わいを再現するため、はじめは玉ねぎや白菜などの野菜エキス、果汁で甘味を出そうとしましたが、甘味以上にそれぞれの原料特有の風味が強く出てしまい、上手くいきませんでした。
最終的にたどり着いたキー原料は、甘酒とえのきたけ。
ともに独特な香りがある原料ですが、工夫を加えることでバランスを取りました。特に、えのきたけは、事前にソテーするひと手間を加えることで、ネガティブな香りを出さずに旨味だけを付与することが出来、納得のいく品質となりました。(北野氏)
 
自分たちの中では納得のいく品質ができていたベジクリームでしたが、本多シェフから何かが足りないというご評価。「後味のキレを出すために酸味を加えたらどうか、レモンでもお酢でもよいのでは」というアドバイスいただきました。実際に試してみるとコクだけが強かったソースにキレが加わり、バランスが取れたクリームソースが完成しました。
 

カラダにいいパスタソースへのこだわり


そしてもう一つこだわったことがあります。
パスタソースでも、「カラダにいい」を実現したい。
 
みなさんも経験上よくご存じかと思いますが、おいしいものはカロリーや塩分、脂質が高かったりと、罪悪感がつきもの。
そんな罪悪感を抱くことなく、毎日の食生活に取り入れていただける商品をお届けしたい。
そんな想いで試作品の栄養成分を確認したところ、ベジクリームとベジボロネーゼの処方改良が必要になりました。植物性原料だけでコクのある処方を実現するため、脂質が高くなってしまっていたのです。
 
特に味の調整が難しかったのは「香味野菜のベジボロネーゼ」。油が減ることで濃厚感が失われるだけでなく、野菜の酸味やスパイスの香りが必要以上に目立ってしまい、とげとげしいソースになってしまう。かといってそれらの原料を減らすと全体的に薄味になってしまい、一番大切にしたいソースの濃厚さが失われてしまいました。

ここでも頼りになったのが、ZENBのこだわり原料でした。既にオニオンソテーは使用していたのですが、それとは炒め方が異なるオニオンソテーをもう1種類組み合わせることで、油を減らすことで失われてしまったコクを取り戻せることが分かりました。それに気づいてからは試作あるのみ。気づくと脂質を減らす前の処方からさらに28種類ものボツ処方を作ってしまいましたが、その甲斐があって、ただおいしいだけではない、カラダにやさしいソースに作り変えることが出来ました。(北野氏)
 

本多シェフの指導の先に


これでいいやと妥協するのではなく、パスタソースとしておいしさを追求したものを作りたい。ZENBメンバーとシェフが同じ想いでものづくりを出来たことが、ZENBパスタソースのおいしさを実現することにつながったと私は考えています。
 
ものづくりを振り返って、本多シェフはこう語って下さいました。
「動物性不使用、グルテンフリーでありながらも、多くの人に満足してもらえる、カラダにもいい、やさしいおいしさの追求。その上で最も大切にしたことは、素材本来のおいしさを活かすということ。だから、変なものは入れずに、野菜のおいしさ旨みを前面に出すことを心掛けた。一回食べておいしいと感じるかどうかではなく、継続して食べたくなるおいしさにこだわった。ZENBヌードルでも小麦パスタでもおいしいパスタソースとして完成された味が実現できていると思う。」(本多シェフ)


これでいいではなく、これがいいと選んでもらえるものを


毎日の食事は、これでいいやではなく、これがいいと思って選びたい。
料理が上手く作れなかった日は寝るまで落ち込んでしまうほどおいしいもの好きの私は、そう考えています。
毎食手作りして、丁寧な暮らしを送れるのが理想だけれど、なかなかそうはいかないのが現実。
そんな時、思い出していただけたら嬉しいです。
一つ一つの原料に想いを込めて調理し、0.1g単位で処方を調整したパスタソースを。
そのままかけてもよし、冷蔵庫にある具材やトッピングで少しアレンジしてもよし。
ZENBパスタソースが、あなたの食生活を、毎日のごきげんを、そっと支えられますように。


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