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ZENBのメニュー開発をするようになって変わったこと

ZENBのメニュー開発を担当するようになって4年、プライベートの料理にも変化が起きていることに気が付きました。

まずは、塩をちょっとこだわった塩にかえました。
といっても、1gずつとかしか使わないものなので、1回あたりの値段でいうと、数円程度と思うと、これでおいしくなるなら、絶対お得です。

なぜ、塩?

きっかけは、ZENB initiativeの活動の中で出会った中国料理。

茶禅華の川田シェフに教えていただいた、
「真味只是淡(真の味は淡きところに宿る)」という考え方。

パレドZの撮影でお邪魔した、楽・食・健・美-KUROMORI-の黒森シェフの作る、地元産の食材を最大限生かした料理。

それまでは、味が濃いのが当たり前と思いこんでいた中国料理、どちらのシェフの料理も味が薄いわけでもなく、まぎれもなく中国料理なのですが、素材の味をしっかり感じる。その味わいに感動し、

「味をつけすぎるのは、もったいないのかも」と考えるようになりました。

とはいっても、私も調味料メーカーの社員・笑
もちろん調味料は使いますし、味はつけるのですが、
「引き算」を意識するようになったというイメージでしょうか。

「引き算」というのは、今までなら、レシピに書いてあったら、特に何も考えずに、いろんな調味料を入れていたところを、

「この調味料って、本当にいるのかな?」

をすごく考えるようになりました。
立ち止まって、考えるようになると、

「あれ?これって、この素材の味がでるし、香りもあるし、もしかしたら入れない方がおいしいかも?!」

と思うことも多くなってきて、どんどんレシピがシンプルに。

レシピがシンプルになると、次は、素材の味が大事に。
とはいっても、シェフのように、肉や野菜などを常にいいものを手に入れるのは難しいので、まずは塩から変えてみようという結論に至ったというわけです。

それが大正解でした。
シンプルな味にすると、どうしても旨みが足りないと感じてしまうところを、角がなく、甘み・旨味のある塩を使うと、素材の旨みと相まって物足りなさはすっかりなくなり、その時期にしか味わえない素材本来のおいしさにも気が付くようになりました。

春の野菜のほろ苦さ、夏の野菜のみずみずしさ、秋の野菜のほっくり感、冬の野菜の甘さ。

旬の味って、ありがたいことに、高価なものではなく、一年で一番安く手に入りやすい時期でもあるので、誰もが気軽に楽しめるのもいいところ。

八百屋さんに行って、食べたことのない野菜に出会い、どうやって調理しようかと考えたり、新しい味に出会うのが今の私の楽しみに。
(旬はほんとに短いので、ちょっと時期が過ぎつつありますが・・今なら、そら豆やヤングコーンのグリル焼きが最高です!)

こういうことを楽しめるのが、豊かさなのかなと。

よく、味覚は幼い頃に完成されると聞きますが、大人になっても、感動する味に出会えば、変えることができるんだなと実感できたのは、ZENBのメニュー開発でいろんな方のお話を聞いたり、料理を食べる機会があったからこそ。

これからどんな味に出会えるか、まだまだ楽しみはつきません!

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